季節のおたより

「冬こそぬか漬」

私の子供の頃は、ぬかみそはカメや木樽に入って暗い納屋の片隅で、祖母が漬けていた。昔はどこの家でもだいたいそんな様だったから、冬場のぬか漬けは敬遠した。手を入れただけで冷たく、かき混ぜなんてまっぴら。実際、昔の冬は今よりずっと寒かったように記憶する。それで冷たすぎるぬか床は、乳酸菌も酵母菌も発酵しなくなるので、ぬか床の表面に1cmくらい塩をして春までぬか床を休ませた。

最近はどうかというと、納屋で漬ける家は稀だろう。皆さんお台所の隅に置いて漬けていることと思います。今の台所は、夜中はともかく日中は冬でも結構暖かく、ぬか床も十分発酵するでしょう。冬の大根、人参、かぶなどの根菜類はもちろん、白菜やキャベツの葉っぱ類もぬか漬に合います。鍋に使った残りの端っこだけでもいいから、そのままぬか床に漬ければそれで美味しいぬか漬が出来上がり! 冬場のビタミン、ミネラル、繊維質の補給にも、どうぞ冬のぬか漬をお試し下さい。大根はそのままでも美味しいけれど、寒い日に2~3日天日干して、しんなりしてから漬けてみて下さい。ヘタなタクアンよりよっぽどおいしいですぞ。

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