「日本酒とぬか漬けの邂逅」
静岡市には南アルプス南部の山々を水源とする、安倍川と藁科川があり、共に水のおいしさでは日本でも有数で、わさび棚や鮎の育成、日本酒造りも盛んです。先日、静岡のタウン誌で酒蔵を巡る地酒の特集がありました。日本酒に合うつまみの一つとして、ぬか漬けとの相性は言うまでもありません。
「日本酒と同じように米を原料に発酵熟成させたものに ぬか床 がある。ただし、日本酒は玄米を研ぎ、内側の白米から造る。一方、ぬか床は玄米の外側、つまり白米を包む 糠 を使う。そして水や塩を加え、空気を送り、乳酸菌や酵母菌を発酵させ熟成したもの。そのぬか床で漬けた野菜が ぬか漬け だ。同じ一粒の米の内と外が別れ、互いに長い熟成期間をかけて再び一つの食卓に並ぶ。日本酒を呑み、程よく漬かったきゅうりのぬか漬けをつまんでみる。身体の中で日本酒とぬか漬けが永い別離の旅を経た恋人同士のように邂逅するのだ。一粒の米として・・・ 」
ぬかどっ子は当初、静岡市のお堀に近い本通りでぬか蔵を兼ねた店舗を構えた。その後、良質の水を求めて藁科川の現在の地に移って二十年余。初夏には蛍の舞う小川の畔で、有機の米にこだわり、国産の材料を頑なに守り、無添加で安心なぬか床を昔ながらの手作りで育てています。
■すろーらいふ4月号 「特集 静岡の地酒」■
↑ぬかどっ子載っています。